宮崎の神楽-0

宮崎の神楽

11月半ばになると、山里の集落に笛の音、太鼓の鼓動が響き渡ります。

今年もまた、天と地から恵みを授かったことに感謝を捧げ、多くの神々と舞い遊ぶ一夜が始まります。
宮崎県内各地に今も伝わる伝統の神事「神楽」。
高千穂の夜神楽を中心に、ちょっとのぞいてみましょう。

見どころは?

神楽当日まで、神楽宿のしつらえの準備が行われています。神楽を舞う神庭(こうにわ)のしめ縄や彫り物(えりもの・周囲にめぐらせる切り紙)などの美しいしつらえ、集落に数百年も伝わる貴重な御神面など、見どころもたくさん。
神楽は、午後2時ごろからの神迎えという神事から始まります。道行(みちゆき・神楽宿に土地の神々をお連れするための御神幸)から、神楽宿への舞い入れとなります。午後7時ごろから翌朝まで、33番を舞い明かします。

地元の人たちと一緒に、歩きながら神楽宿に向かうと、太鼓や笛の音が近づいてきます。子どもたちは駆け出して行って、その音に合わせて自然と体を動かします。幼いころから体に染み付いている神楽のリズム。名人の舞いの見どころは、特に脚さばきにあるそうです。太鼓や笛などのお囃子も、交代をしながら集落のほしゃどん(奉仕者)が奏でます。
地域によってはほしゃどんだけでなく、一般の飛び入り可能な番付があります。男性や子どもがほとんどですが、衣装や面を付け、神楽を存分に味わうことができます。子ども神楽や夜中の番付など、質問したいことがあったら、屋外で火を囲んで暖をとりながら、話しかけてみてください。
夜が白々と明け始め、天岩戸を開く「戸取」の後、「日の前」の舞とともに朝日が神庭に差し込んでくると、座は感動に包まれます。最後は見物客も一緒に参加し、神庭の上にある「雲」と呼ばれる天蓋から紙吹雪が舞い散り、フィナーレを迎えます。

里人たちの思い

集落に長く長く受け継がれてきた神楽。公民館や神社境内などが神楽宿となることも多いですが、自宅が神楽宿となる集落も残っています。その場合は神庭を構えるために設計されており、「神楽を舞える家を建てるのを目標にしている」という言葉が聞かれるほどです。かつては、一家の長男のみが舞うことを許され、直会の食事作りを含め、一切を男性が取り仕切っていました。神楽で舞うことは憧れだったそうです。変化してきた部分もありますが、祖先から受け継がれてきた神楽への思いを感じてみてください。

歌人 小島なおと神楽~短歌がいざなう神話の世界~

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小島なおと神楽

神話のふるさと特集 世代を越えてつながる「神楽」~それぞれの想い~

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それぞれの想い
 

 

県内各地の主な神楽

各地を回ると、しつらえや番付、衣装などもそれぞれで違います。各地域で異なる神楽の魅力を発見してください。夜神楽だけでなく、昼神楽もあります。
 

県内各地の主な神楽
 

 

神楽鑑賞のマナー

神楽は、地域の人が神々と一体となる儀式です。そこに参加させていただくという気持ちで訪ねましょう。
神楽を舞う神庭の中は、一般客、特に女性は立ち入り禁止という場合がほとんどです。
しきたりに従い、分からないことは尋ねましょう。
ビデオやカメラで撮影する場合は、三脚を禁止しているところも多いため注意してください。

参考:「祈りと伝承の里 高千穂の夜神楽」

 

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