木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)・磐長姫(イワナガヒメ)の物語 ~美しい花のように~-0

木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)・磐長姫(イワナガヒメ)の物語 ~美しい花のように~

神さまの相関図

木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)・磐長姫(イワナガヒメ)の物語 ~美しい花のように~

 

コノハナ1
 
高天原から地上に降り立ったニニギは、笠沙の御崎でコノハナサクヤヒメと名乗る美しい乙女に出会いました。一目惚れしたニニギは、コノハナサクヤヒメの父である、山の神のオオヤマツミへ使者を送り、結婚を申し込みました。オオヤマツミはたいそう喜んで、山ほどの結納の品をコノハナサクヤヒメに持たせてニニギに嫁がせます。その時、コノハナサクヤヒメの姉のイワナガヒメも一緒でした。姉の容姿がとても醜いのを見て恐れたニニギは山の神のもとへ送り返し、妹とだけ一夜を共にしたのです。

山の神はこのことをたいへん恥ずかしく思い嘆きました。「イワナガヒメを妻とすれば岩のようなゆるぎない永遠の命を得られ、コノハナサクヤヒメを妻とすれば木の花が盛んに咲くような繁栄が得られる……。天つ神の御子のお命は、華やかではあるが限りあるものになるでしょう」

その後、天つ神であるあなたの子を身ごもっていると、コノハナサクヤヒメに言われたニニギは言い放ちます。
 
コノハナ2
 
「一宿にや妊める。是れ我が子には非じ。必ず国つ神の子にあらむ」『古事記』上つ巻より
「一夜で身ごもるわけがない。私の子ではなく、国つ神の子だろう」
コノハナ3
 
疑われたコノハナサクヤヒメは、「私の身ごもった子がもし天つ神の御子でしたら無事でしょう」とだけ言って、出入り口のない産屋を隙間がないように内側から泥で塗り固めたうえ、火をつけて出産をしました。ホデリ(ウミサチヒコ)、ホスセリ、ホオリ(ヤマサチヒコ)の三兄弟が無事に生まれたのです。

 

木花開耶姫・磐長姫の物語 ゆかりの地

【1】愛宕神社(あたごじんじゃ)

愛宕神社の奥宮に笠と笹の社紋が入った神前幕が掲げられているのは、神社が鎮座する愛宕山を古くは笠沙山、笠沙岬と呼んでいたから。古事記には、笠沙の御崎(みさき)でニニギがコノハナサクヤヒメと出会ったと記されている。愛宕山には、愛宕神社を含めて4社の神社があり、良縁を祈願する参拝者が後を絶たない。

〒882-0871 宮崎県延岡市愛宕山6112番地ロ号
電話番号 0982-32-2520(春日神社)

【2】北川陵墓参考地(ニニギノミコト御陵墓参考地)

標高728mの可愛岳(えのたけ)の麓にあり、宮内庁により指定されている。日本書紀巻第二神代下に、ニニギは亡くなると「筑紫の日向の可愛の山陵に葬られた」とある。地元では毎年4月3日に御陵祭を開催。

〒889-0102 宮崎県延岡市北川町長井 西郷隆盛宿陣跡資料館
電話番号 0982-46-2960

【3】銀鏡神社(しろみじんじゃ)

ニニギに送り返されたイワナガヒメ。鏡に映った自分の顔の醜さを嘆き、鏡を放り投げてしまう。遠くへ飛んだ鏡は龍房山の頂きに聳える大杉に引っかかり、西の方角にある麓の村を昼夜問わず明るく照らした。その村を白見と呼ぶようになり、後に鏡をご神体として祀った。御祭神はイワナガヒメとオオヤマツミ。

〒881-1232 宮崎県西都市大字銀鏡492番地
電話番号 0983-46-2123

【4】米良神社(めらじんじゃ)

失意のイワナガヒメは龍房山の南側にしばらく留まった後、西米良の小川の地に移り住んだ。時が流れても悲しみは一向に癒やされることなく、イワナガヒメは深い淵に身を投げてしまう。憐れんだ村人が神山にイワナガヒメを祀って建てた社殿が、現在の米良神社の本殿であり、神山は今も女人禁制である。

〒881-1302 宮崎県児湯郡西米良村大字小川988番地
電話番号 0983-37-1112

【5】都萬神社(つまじんじゃ)

別名、妻萬宮。地元の人は「さいまんさま」と呼ぶ。この土地の妻という名は、ニニギがコノハナサクヤヒメに妻にしたいと申し込んだことからという。7月7日の更衣祭はニニギとの婚姻儀礼を再現したもので、男性神職がコノハナサクヤヒメの御神像のお顔に化粧を施す様子はほのぼのする。

〒881-0033 宮崎県西都市大字妻1番地
電話番号 0983-43-1238

Column

本殿の南にそびえる大楠「妻のクス」-1

本殿の南にそびえる大楠「妻のクス」

樹齢約1,200年。災害に何度も遭いながらも、なお青々と茂る力強さにあやかりたい。

おすすめよりみちスポット

愛宕山展望台(あたごやまてんぼうだい)

展望台には二人で鳴らすと幸せになれるといわれる鐘や、南京錠を掛けて愛を誓うハート形のモニュメントがあり、デートスポットとして人気。「日本夜景遺産」にも選ばれている。

〒882-0871 宮崎県延岡市愛宕山

記紀の道(ききのみち)

ニニギとコノハナサクヤヒメの物語を体感できる、都萬神社からスタートする全長4㎞の散策路。ニニギとコノハナサクヤヒメが出会った「逢初川」、三兄弟を出産した「無戸室(うつむろ)」、産湯に使った「児湯の池」をたどりながら、最後、男狭穂塚(おさほづか)・女狭穂塚(めさほづか)に至る(写真左)。この陵墓にはニニギとコノハナサクヤヒメがそれぞれ眠っているとされる。途中には、コノハナサクヤヒメに求婚した鬼が造った鬼の窟(写真右)、オオヤマツミの御陵もある。

〒881-0005 宮崎県西都市三宅4941番地1
電話番号 0983-43-6230 (西都原ガイダンスセンターこのはな館)

木花開耶姫・磐長姫の物語 ゆかりの地MAP

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