国生みの物語　～結婚と永遠の別れ～

 

天と地ができた時、何人もの神が現れては消えていました。やがて、男女の神であるイザナキとイザナミが現れます。2人は天地の間に浮かぶ天の浮橋に立ち、矛を下に突き刺してかき混ぜました。矛を引き上げてポタポタと落ちる滴が固まって、最初にできたオノゴロ島。この島で夫婦の契りを行い、14個の島と35柱の神を生みました。
最後に生んだのは火の神。生む時に負った大やけどがもとで、イザナミは死んでしまいます。怒りのあまりイザナキは、火の神を切り殺しますがその悲しみは癒えず、黄泉の国に妻を迎えに行くことにしました。しかし、黄泉の国の食べ物を口にしてしまった妻は帰れません。  

「還らむと欲む。且く黄泉神と相論はむ。我をな視ましそ」『古事記』上つ巻より
「一緒に帰ろうと思います。しばらく黄泉の神と相談します。私を決して見ないで」 待ちくたびれたイザナキが様子を見に行くと、そこには、妻の変わり果てた醜い姿が……。見られたことに気付いた妻は、夫に追っ手を差し向け自らも襲い掛かります。イザナキは必死に防戦しながら現世との境まで来た時に大岩で道をふさぎ、かろうじて妻を撃退できました。

地上に戻ったイザナキは黄泉の国の穢れを清めるために、日向の阿波岐原で身を洗いました。すると、さまざまな神が生まれ、左目からアマテラス、右目からツクヨミ、鼻からスサノオが誕生したのです。

【1】　みそぎ池

阿波岐原の松林の中、ぽっかりと開けた明るい場所。闇に閉ざされた黄泉の国から戻ってきたイザナキは、どんな気持ちで禊をしたのだろうか。時折吹く風が静かに水面を撫でると、スイレンの葉がゆらめき、水紋がキラキラと弾けていく。穏やかな時間が流れるみそぎ池。

〒880-0835 宮崎県宮崎市阿波岐原町産母（阿波岐原森林公園 市民の森）
電話番号　0985-39-7308（市民の森管理事務所）

【2】　江田神社（えだじんじゃ）

イザナキ、イザナミを祀るこの神社は、パワースポットとして有名。境内にある御神木のオガタマノキとクスノキも必見。隣接する市民の森公園では、ツバキやウメ、ハナショウブ、アジサイなど季節ごとに花が楽しめる。参拝後はゆっくり付近の散策をしながら、みそぎ池に行ってみては？

〒880-0835 宮崎県宮崎市阿波岐原町産母127番地
電話番号　0985-39-3743

【3】　小戸神社（おどじんじゃ）

かつて小戸とは、現在の宮崎市の市街地のほぼ全域を指し、小戸神社は大淀川河口に鎮座したのが始まりとされている。12月31日には、御祭神の伊弉諾大神が黄泉の国から戻った後に禊をしたことに倣って、1年間の罪穢を祓おうと大淀川に浸かる「みそぎ祓」の祭典が執り行われる。

〒880-0014 宮崎県宮崎市鶴島3丁目93番地
電話番号　0985-23-6684

【4】　東霧島神社（つまきりしまじんじゃ）

境内に祀られている「神石」。これは、イザナミがこの世を去って悲嘆にくれたイザナキの流した涙が岩になり、その岩をイザナキが十握の剣で3つに切ったものという。ちなみに、イザナミの亡くなる原因となった火の神も、この神社に祀られている。ほかに謂れのある石や木があるので調べてから行くのもいい。

〒889-4504 宮崎県都城市高崎町東霧島1560番地イ号
電話番号　0986-62-1713

フェニックス・シーガイア・リゾート

日向灘に面した長さ約11㎞にも及ぶ黒松林に囲まれたリゾート。散策するならおすすめはセグウェイツアー。インストラクターから周辺の自然やゆかりのある神話のガイドが聞ける。レンタサイクルや乗馬などのアクティビティーも充実。

〒880-8545 宮崎県宮崎市山崎町浜山
電話番号　0985-21-1324 （内線100）（シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート 2F アクティビティセンター）
営業時間　8:00～19:00　*開催日時・料金等はお問い合わせください。