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宮崎県で「インフラツーリズム」を楽しもう!
宮崎県には、美しい自然に溶け込んだインフラが数多く点在し、観光スポットとしても注目されています。景観だけでも楽しめるダムや橋、灯台などを巡りながら、地域の歴史や文化に触れる「インフラツーリズム」の魅力を紹介します。導入された建設技術や、インフラが作られた背景について知ることで、見え方も変わってくるかもしれません。
周辺の観光スポットも事前にチェックして、インフラの旅に出かけましょう!
インフラツーリズムとは?
インフラツーリズムとは、公共施設や社会基盤施設(インフラストラクチャー)といった、普段はあまり観光の対象として意識されない場所を巡る観光です。具体的には、ダム、橋梁、発電所、灯台、鉄道施設など、私たちの日常生活を支える重要な施設を訪れ、その仕組みや役割、歴史について学びます。
【インフラツーリズムの魅力】
・巨大構造物のダイナミックな景観を楽しめる
・普段は立ち入れない施設内部など、非日常的な体験ができる
・インフラ施設の役割や建設の背景について学べる
・地域の歴史や文化、周辺の観光と合わせて楽しめる
従来はマニアックな趣味というイメージもありましたが、近年ではファミリーや女性グループなど、幅広い層に人気が広がっています!
宮崎県にも点在する、魅力あるインフラツーリズムにぴったりのスポットをご紹介します。周辺観光と合わせて、ぜひ訪れてみてください。
ダムを見に行こう!
インフラツーリズムの人気スポットといえば「ダム」。ダム見学は、壮大な建造物のスケールや、技術的な側面を学ぶことができ、日常生活における重要性も再確認できます。
まずは、ダムの形状や構造を観察しましょう。多くのダムは自然豊かな場所にあるため、美しい湖や周囲の自然と一体化した風景も楽しめます。巨大な堤体やその一部を歩くことができるダムもあり、タイミングが良ければ洪水吐からの迫力ある放流を見ることができるかもしれません。
日本全国のダムでは、見学に訪れた人に「ダムカード」を配布しています。訪れた証の収集も楽しみのひとつ!配布場所などはWEBサイトでご確認ください。
上椎葉ダム【北部エリア】
椎葉村に位置する日本初の大規模アーチ式コンクリートダム「上椎葉ダム」は、総工費149億円を投じ、延べ500万人を動員して1955年に完成しました。高さ110m、長さ341m、総貯水量9,155万m³の巨大な構造物で、その雄大な佇まいから「閣下」という愛称で親しまれています。
近くの高台にある女神像公園からの眺望は素晴らしく、勇壮なダムと、ダムにより形成された人工湖「日向椎葉湖(ダム湖百選に認定)」を一望することができます。
洪水吐は堤体の両岸にあり、減勢工は両岸から放流した水が跳ねて谷の中央部でぶつかり、エネルギーを相殺する構造の「スキージャンプ式」が採用されています。ダムに付設された上椎葉発電所は、最大90,000キロワットの発電能力を持ち、北九州工業地帯への電力供給を行っています。
また、ダムの堤上を車や自転車で走行することができ、様々な角度からダムを楽しめます。
一ツ瀬ダム【中部エリア】
西都市に位置する、九州最大級の規模を誇るアーチ式コンクリートダムです。1963年に一ツ瀬川の上流に建設され、高さ130m、堤頂長415.6m、総貯水量261,315,000平方mの壮大な構造で、揚水発電所を除く一般水力発電では九州最大の18万kWの電力を発生させます。また、洪水調整機能も持ち、地域の治水対策にも貢献しています。
左右、中央の3箇所にクレストゲートを配置し、両岸には「スキージャンプ式」の洪水吐を設けており、真っ白なアーチと左右の対比が美しく、「日本一美しいアーチダム」とも呼ばれ、日本ダム協会が選定した日本100ダムにも選ばれています。
一ツ瀬川沿いの国道219号線を走ると「一ツ瀬ダム展望所」があり、ダム湖の米良湖(めらこ)やダムのアーチ、対岸の山々などが見渡せます。
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西郷ダム【北部エリア】
美郷町に位置し、1929年に完成した歴史ある重力式コンクリートダム。国内で初めての「ダム通砂」運用を行うための改造工事が行われ、2018年にリニューアルされ、「永遠(とわ)の鐘」と名付けられた2つの鐘型クレーンカバーが設置されました。
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大内原ダム【北部エリア】
美郷町に位置する、耳川水系の最下流にあるダムで、西郷ダムと同様に、ダム上流から流れてくる土砂をダム下流へ流す仕組み「ダム通砂」運用を行っています。ダム湖の湖畔には温泉施設やウェイクボードが楽しめる「石峠レイクランド」があります。
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祝子ダム【北部エリア】
延岡市に位置する多目的ダムで、祝子川の上流に1972年に建設され、地域の水資源管理や異常洪水などの防災に重要な役割を果たしています。ダム周辺は自然豊かな環境で、キャニオニングなどのアクティビティや、美人の湯として親しまれる温泉なども楽しめます。
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日南ダム【南部エリア】
日南市に治水を目的として建設され、2016年に酒谷発電所の完成により多目的ダムに移行しました。九州では珍しい「半円形型常用洪水吐」を持ち、日本ダムアワードの放流賞にも選ばれています。毎年5月には、ダム湖の上をこいのぼりが飾られます。
Column
※画像はイメージです
宮崎県でもダムカレー!
ご飯をダムの堰堤(えんてい)に見立て、カレーのルーをその周りに流し込むダムカレー!日本各地でご当地ダムカレーが誕生し、宮崎県でも一部のダム近くのレストランなどで提供されています。ダム観光のあとに、ダムの構造美を楽しむだけでなく、食べる楽しみも味わえます!
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※画像はイメージです
宮崎県でもダムカレー!
ご飯をダムの堰堤(えんてい)に見立て、カレーのルーをその周りに流し込むダムカレー!日本各地でご当地ダムカレーが誕生し、宮崎県でも一部のダム近くのレストランなどで提供されています。ダム観光のあとに、ダムの構造美を楽しむだけでなく、食べる楽しみも味わえます!
橋を見に行こう!
日常でも利用する機会が多い身近なインフラツーリズムスポットのひとつ「橋」。吊り橋、トラス橋、アーチ橋など、橋の形状や構造をさまざまな角度から観察しましょう。橋が建設された目的や、その設計が採用された理由などを知ることで、歴史的背景や地域社会に与えた影響なども学ぶことができます。
橋の上を歩いたり、自転車で渡ったり、鉄道に乗って走ったりできる「橋」も多く、自然豊かな山や川、海に架かっていることもあり、周囲の景観と共に、直接体感して楽しむことができるインフラツーリズムです。
かりこぼうず大橋【中部エリア】
西米良村に位置し、一ツ瀬川に架かる木造の車道橋で、2003年に「ふるさと林道緊急整備事業」として、樹齢約50年の宮崎県産スギをふんだんに使用して建設されました。キングポストトラス橋3連と桁橋1連で構成され、橋長140m、最大支間長48.2mで木造車道橋として日本一の橋長と最大支間長を誇ります。
米良三山(市房山・石堂山・天包山)をイメージした3連のトラスデザインが特徴的で、構造用スギ集成材を1,335立方m使用しており、このスギ材の使用量は丸太に換算すると約4,000立方m、立木に換算すると約10,000立方mに相当します。
「かりこ」とは、猟をするとき「ホイホイ」と鳴いて、獲物を駆り出して追う役目をする「狩子」のことで、「かりこぼうず」は古くから米良地方に語り継がれる村の守り神のような存在で、橋の欄干にもその姿が描かれています。
Column
かりこぼうず大橋を渡って温泉へ!
かりこぼうず大橋は、肌がスベスベになる美人湯で評判の温泉施設「西米良温泉カリコボーズの湯ゆた~と」や、コテージ型の宿泊施設「カリコボーズの宿」へのアクセスや、国道のバイパスなどとして利用されています。
西米良温泉カリコボーズの湯ゆた~と
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かりこぼうず大橋を渡って温泉へ!
かりこぼうず大橋は、肌がスベスベになる美人湯で評判の温泉施設「西米良温泉カリコボーズの湯ゆた~と」や、コテージ型の宿泊施設「カリコボーズの宿」へのアクセスや、国道のバイパスなどとして利用されています。
西米良温泉カリコボーズの湯ゆた~と-
天翔大橋【北部エリア】
2000年に建設された、アーチスパン260m、水面から橋面までの高さ143mの日本最大の鉄筋コンクリート固定アーチ橋です。農産物の円滑な輸送を目的とし、県北部の中山間地域を結ぶ広域営農団地整備計画の一環で建設されました。
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旧第三五ヶ瀬川橋梁【北部エリア】
1939年頃に完成した、延岡と日之影を結ぶ日之影線(後の高千穂鉄道)のV型鉄筋コンクリート連続ラーメンと鋼製トラス橋を組み合わせた構造の鉄道橋です。現在は廃線となっていますが、森林セラピーコースの中に組み込まれ、遊歩道として開放されています。
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雲海橋【北部エリア】
高千穂町と日之影町の間に流れる岩戸川に架かる長さ199m、高さ115mの橋です。一般的に橋は横から見ると左右対称ですが、全国的にも珍しい非対称の「中路式非対称ローゼ橋」で、アーチの中位に道路が走ります。橋の上からは、高千穂鉄橋を見ることができます。
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国内有数の歩道吊橋!綾の照葉大吊橋【中部エリア】
九州中央山地国定公園に指定されている綾町の照葉樹の森を、普段見られない視点から眺め、自然の恵みや生態系の素晴らしさを感じてもらい、自然の大切さを認識してもらうために1984年に架橋された「綾の照葉大吊橋」。長さ250m、高さ142mの国内有数の歩道吊橋です。
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![国内有数の歩道吊橋!綾の照葉大吊橋【中部エリア】-1](https://www.kanko-miyazaki.jp/storage/language_special_feature_paragraphs/3235/responsive_images/1SMxpgW5AANhIWBCc78SGGKSrjMMSeaGsTVp0L74__1652_1239.jpg)
国内有数の歩道吊橋!綾の照葉大吊橋【中部エリア】
九州中央山地国定公園に指定されている綾町の照葉樹の森を、普段見られない視点から眺め、自然の恵みや生態系の素晴らしさを感じてもらい、自然の大切さを認識してもらうために1984年に架橋された「綾の照葉大吊橋」。長さ250m、高さ142mの国内有数の歩道吊橋です。
もっと見る発電所を見に行こう!
インフラツーリズムでの発電所見学は、エネルギーの生成過程やその重要性について学ぶことができます。特に再生可能エネルギーに関する知識を深めることはSDGsの観点からも重要なポイントです。また、発電所の見学は産業観光としても注目されており、展示室や見学ツアーなど実際の稼働の様子を見ながら、エネルギー問題について考えるきっかけを得ることができます。
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上祝子発電所【北部エリア】
1969年から実施された祝子川総合開発事業の一環として建設された「上祝子発電所」は、九州電力の祝子川発電所が廃止された際、その機器類を上流に移設して作られた、川の水をそのまま発電所に引き込んで発電する流れ込み式発電所です。1997年には機器の老朽化に伴い発電機器の更新が行われ、最大出力が100kW増加しました。祖母・傾・大崩ユネスコエコパークに位置し、祝子川渓谷の美しい景色を望むことができます。
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小丸川発電所【中部エリア】
木城町に位置する、九州電力が運営する九州最大級の揚水式水力発電所で、上池は大瀬内ダムとかなすみダムによって形成され、下池は石河内ダムによって形成されています。この間の有効落差約650mを約2.8kmの水路で連結し、毎秒222立方mの水を往来させ、最大120万kWの電力を発生させます。発電所の広報施設としてピノッQパークが2008年に開館し、揚水発電の仕組みや役割を解説する展示などを行っています。
Column
チャンスがあれば見学ツアーに参加しよう!
小丸川発電所では、10名以上の団体向けの見学ツアーを開催しています。専用シャトルバスに乗って地下へ続く約2kmのトンネルを通り、九州最大規模の揚水発電所で、その広大な地下発電所内部の見学ができます。また、ダムや発電所などでは、不定期で普段立ち入れない施設内を見学できるインフラツーツアーなども企画されています。
チャンスがあれば見学ツアーに参加しよう!
小丸川発電所では、10名以上の団体向けの見学ツアーを開催しています。専用シャトルバスに乗って地下へ続く約2kmのトンネルを通り、九州最大規模の揚水発電所で、その広大な地下発電所内部の見学ができます。また、ダムや発電所などでは、不定期で普段立ち入れない施設内を見学できるインフラツーツアーなども企画されています。
その他のインフラ施設
灯台、水路、鉄道など、他にも魅力的なインフラ施設が宮崎県には点在しています。
都井岬灯台【南部エリア】
「のぼれる灯台」は全国に16基あり、その中でも九州唯一の灯台が串間市に位置する「都井岬灯台」です。美しい白亜の灯台で、標高240mの断崖上に建ち、灯台の高さは15m。周囲の青い海と緑の岬に囲まれた絶景ポイントです。1929年に点灯され、光度は530,000カンデラ、光達距離は約44kmあります。灯台内部からは、緑豊かな山々と日向灘を一望でき、航路標識の理解を深められる「都井岬灯台展示資料室」も必見です。現在も航行する船舶の重要な目印として機能し、国の登録有形文化財に登録されています。
周辺には都井岬の野生馬や自然散策コースもあり、観光スポットとしても人気があります。
あまてらす鉄道【北部エリア】
高千穂町に位置する保存鉄道で、2005年の台風被害で廃線となった旧高千穂鉄道の線跡を利用して運行されています。約5.1kmの区間を「グランド・スーパーカート」と呼ばれるバイオディーゼル燃料を使用した動力車特殊な車両で、トーイングトラクターを改造した動力車が牽引します。
床の中心部は強化ガラスとなっている部分もあり、走行中の線路の様子が見えるようになっています。一番の見どころは、高さ105mの鉄橋からの絶景で遮るものの無い鉄橋の上からは、大峡谷や高千穂の山々の雄大な景色が広がります。
事前の申し込みで旧高千穂鉄道時代に使用していた車両の運転体験も。2023年には「高千穂鉄道記念資料館」もオープンし、高千穂線のジオラマを見学できる他、高千穂線に関する貴重な映像資料、国鉄時代から廃線までの写真を展示しています。
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細島灯台【北部エリア】
細島港入口の日向岬に位置し、1910年に赤レンガで建造され、1941年に現在の白亜の姿に建て替えられました。国の登録有形文化財にも指定されています。付近には人気観光スポットである「馬ヶ背遊歩道」や「願いが叶うクルスの海」などがあります。
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観音瀬水路【西部エリア】
観音瀬とは、高城町有水八久保と高崎町縄瀬上轟の間にある、約100mにわたる急流の総称で、江戸時代にこの一帯は岩盤と滝によって遮断されていました。船を通すため、都城領主の島津久倫の命により水路が開削され、明治時代には県営事業として2本目の水路も開削されています。
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油津赤レンガ館【南部エリア】
1922年に、油津の豪商・河野宗四郎の四男である宗人が主屋を改築すると同時に建築した、2階建てのレンガ造りの倉庫です。中央に配置されたアーチ天井の通路によって左右の2室に分かれており、洋風建築の意匠が随所にちりばめられた、大正期の面影を残す貴重な国の登録有形文化財です。
宮崎県インフラツーリズムMAP
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