Ⅱ 神話と山 ~7.高千穂峰をめぐる旅~-0

Ⅱ 神話と山 ~7.高千穂峰をめぐる旅~

雲海がかかり山頂が島のように見える高千穂峰は、霧島の名の由来となったともいわれています。南の天孫降臨の地とされ、都城盆地で暮らす人々の生活とともにある山です。このルートでは高千穂峰の山麓に位置する5つの神社をめぐります。噴火を繰り返す霧島連峰の厳しい自然の中で、信仰されてきた神社です。

ストーリー

高千穂峰を含む霊峰・霧島山は古来より崇められてきました。10世紀後半、修験道信仰を確立した性空上人が、霧島における修験道の拠点として六社権現を整備したとされます。六社とは「霧島神宮(鹿児島県霧島市)」「東霧島神社」「霧島東神社」「狭野神社」「霧島岑神社(もう一つの夷守神社と合祀)」です。霧島の噴火により、遷座や建て替えを繰り返しながら信仰され、守られてきた神社は、厳しい大自然への畏敬の念が込められています。

霞神社

六社権現の使い神・白へび様に出逢えるかも

下から見上げると、朱塗りの社殿が山の緑によく映えます。一歩ずつ階段を上った先に現れる「霞神社」本殿の奥へ進むと、霧島連山を望む素晴らしい眺望が開けています。1843(天保14年)発刊の『三国名勝図会』には、岩の割れ目から姿を現す白へび様が描かれており、霧島六社権現の使神とされていたそうです。六社権現の巡拝者は、まず「霞神社」に参拝しました。

東(つま)霧島神社

振り向かずの階段で願い込める

社殿へ続く自然石で造られた急な階段の険しさに、修験道の厳しさをかいまみます。鬼が一夜でつくりあげたといわれる鬼岩階段は、振り向かずの坂と呼ばれ、願い事を唱えながら上りきれば、願いが叶うとされています。祀られる主祭神は国生みの神であるイザナキノミコトです。悲しみの涙を流したイザナキが誰もが災難に遭わぬように願い、切ったと伝わる神石にもパワーを感じます。

霧島東神社

「天の逆鉾」を社宝として祀る

神社より見下ろす御池は、湖面が美しく澄み、さらに階段を上ったところに社殿があります。国生みの神イザナキノミコトとイザナミノミコトを主祭神とし、高千穂峰山頂の「天の逆鉾」を社宝としています。天の逆鉾はイザナキ、イザナミが鉾をかき混ぜてつくった国土に突き立てたとも、天孫降臨の際、ニニギノミコトがアマテラスオオミカミから授かったものともいわれています。12月には祓川(はらいがわ)神楽が奉納されます。

狭野(さの)神社

幼名サノノミコトから名づけられた

神武天皇の幼名は、狭野尊(サノノミコト)といいました。「狭野神社」は、主祭神であるミコトの名に由来しています。朱塗りの門をくぐると、杉並木の長い参道が続いています。今から約400年前に植えられ、狭野の杉並木として1924(大正13)年に国の天然記念物に指定されました。かつては宮崎神宮の別宮であり、神宮の拝殿・本殿、宝物を展示していた旧徴古館は、狭野杉を使って建てられています。

霧島岑(みね)神社

遷座を重ね今も信仰を集める

県道104号沿い、夷守岳に向かう途中にある「霧島岑神社」は、度々、霧島の噴火に見舞われ、遷座を繰り返し、現在の地に祀られています。日向三代と呼ばれるニニギノミコト、ホオリノミコト(山幸彦)、ウガヤフキアエズノミコトとその妻が主祭神です。苔むした参道を歩くと眼前が明るく開け、拝殿が建てられています。

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ルートマップ

<MAP>
 

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<アクセス>
■車で
●宮崎自動車道宮崎ICから高原ICまで約40分、県道29号、414号を通り約10分。

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