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Ⅰ 神話を知る ~6.神武東征②お舟出ルート~
神武天皇の生誕地といわれる高原町から、青壮年期を過ごした宮崎市までをたどった①に続き、②では、お舟出までのルートをめぐります。特に美々津は、古くからの町並みが残り、ゆっくり歩いてほしい場所。地名や祭りにも、お舟出の地としての名残があり、今も暮らしに残る伝統を体感できます。
ストーリー
神武天皇は、日向市美々津に向かう途中、新富町の湯ノ宮で湯浴みをしたとされています。そこで突き立てた杖が梅の木となり、「湯之宮座論梅」が生まれました。都農町の「都農神社」で祈願し、美々津に到着した一行。風向きをよんだところ、旧暦8月1日の明け方、突然お舟出をすることになりました。急な出立となったため、人々は「おきよ、おきよ」と起こして回り、あんと米粉の団子を一緒につき混ぜました。神武天皇は兵を率い、東を目指したのです。
湯之宮神社
神武天皇が湯を浴み 梅を芽吹かせた地
「湯ノ宮」との地名が付けられたいわれは、神武天皇が美々津に向かう際、湯浴みをした地と伝わることからです。社殿から下っていくと、沐浴をした湯槽の跡があり、かつては湯を湧出していたといわれています。休憩の後、突き立てた杖が芽吹き、梅の木となったとされ、古くからの梅の名所「湯之宮座論梅」が生まれました。たった一株、樹齢600年になる梅の木から、現在の美しい梅園となりました。
都農神社
神を救ったネズミの彫刻が本殿に
日向国第一の大社であった「都農神社」は、神武天皇が宮崎の宮を出立し、東遷の折に立ち寄り、海上平穏や武運長久を祈ったといわれています。因幡の白うさぎの神話で有名なオオクニヌシノミコトを祀り、病気平癒、縁結びなどのご利益があるそうです。社殿のネズミの彫刻や、撫でると良いとされる神象や撫でウサギ、撫で大国など、見どころが数多くあります。
立磐神社
神武天皇の伝説が残る
神武天皇は45歳の時、東を目指して美々津の港からお舟出をしたといいます。神社には神武天皇らを祀り、訪れた際に腰掛けたとされる岩が境内に残っています。周辺には、急ぎの出立のため、立ったまま衣服を縫ったという「立縫」という地名もあります。潮や風の影響で旧暦8月1日の夜明けに出航することになり、家々を「おきよ、おきよ」と起こして回ったことから今も「おきよ祭り」が行われています。
美々津
「美々津千軒」と呼ばれた港町
江戸時代、美々津は高鍋藩の商業港として上方との交流の拠点となりました。白壁や土蔵が並び、今も人々の生活が息づいています。廻船問屋や旧商家が資料館や休憩所として開放されているほか、カフェや雑貨店など、ゆっくり散策したいスポットです。「美々津まちなみセンター」では、お舟出の際に、あんと団子を一緒について作ったという「つきいれだんご」を買うことができます。
おすすめ立ち寄りスポット
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持田古墳群・高鍋大師
もっと見る4世紀前半から7世紀前半に造営された古墳で、児湯郡(こゆぐん)高鍋町の小丸川左岸の台地に大小合わせて85基が現存しています。
また近くにある「高鍋大師」は、昭和初期に大規模な盗掘被害にあった古墳に眠る古代人の霊を慰めるために、故岩岡保吉氏が自ら彫った約750体の神仏混合の石像群です。
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都農町ご当地グルメ 「都農ふぐ丼」
都農町沖で揚がる金フグと呼ばれるシロサバフグの身を、丼で堪能できます。地元の名物やっきり(たたき)をアレンジし、3種類のたれでいただきます。
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道の駅つの
もっと見る宮崎市と延岡市のほぼ中間、交通の要である国道10号沿い、東九州道都農ICから約5分、アクセス抜群の位置に「道の駅つの」はあります。
ドライブの休憩はもちろん、都農の逸品を求めて多くの人々が訪れる超人気スポットです。 -
願いが叶うクルスの海
もっと見る巨大な岩礁が波の侵食により東西約200m、南北約220mにわたって裂け、上からの見ると十文字(クルス)の形をしています。
その岩の外には小さな岩場があり、それと合わせると「叶」という文字に見えることから、ここを訪れると願いが叶うと言い伝えられる神秘的なスポット。
波が穏やかな時ははっきりとクルスを見ることができ、太平洋の紺碧の海とともに絶景が広がります。
ルートマップ
<MAP>
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■車で
●国道10号を北上し、新富町内三納代交差点より県道309号へ。約40分。
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